月経と体重について

結論ですが

月経周期のうち「黄体期」はプロゲステロンの働きによって体重が増えやすいです。

この記事は「月経と体重」に疑問のある女性に向けて書いています。
女性特有の疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「月経と体重」についてわかります。

多くの女性は月に1回、「月経」(生理)を経験していると思います。
月経によって体調や体重が変化していると感じている人は多いかと思います。

自分の体格は大丈夫かしら…
月経によって体重は変わるの?
ダイエットした方がいいのかなぁ!?

など月経と体重には関心があるかと思います。

じつは月経周期によって体重は変化しやすいのです。
また、体重の変化によって、月経異常につながったり、女性特有の症状を来す可能性があります。

今回は、「月経と体重」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 月経周期のうち「黄体期」はプロゲステロンの働きによって体重が増えやすいです。
  • 体重増加(肥満)によって、「月経異常」や「不妊症」などの症状を来します。
  • 体重減少(やせすぎ)によって、「月経異常」や「骨粗しょう症」などの症状を来します。
  • 体格を把握し、目標体重を決めて、体重をコントロールするようにしましょう。

月経と体重の変化

黄体期は体重増えやすい

月経周期によって、体重が増えやすい時期があります。
結論をいうと、月経周期のうち「黄体期」はプロゲステロンの働きによって体重が増えやすいです。

プロゲステロンの働き

  • 子宮内膜の安定化
  • 基礎体温を上げる
  • 水分量を保つ
  • 食欲を増加させる
  • イライラしやすくなる
  • 眠くなる

プロゲステロンと体重増加

プロゲステロンの働きとして、
「水分量を保つ」(→むくみ、体重増加につながる)
「食欲を増加させる」(→体重増加につながる)
「イライラしやすくなる」(→ストレスから過食、体重増加につながる)
「眠くなる」(→運動量低下、体重増加につながる)
などの作用があり、体重増加につながります。

黄体期はいつ?

月経周期には「卵胞期」と「黄体期」があります。
月経から排卵の間を「卵胞期」にあたります。そして排卵してから次の月経までの間を「黄体期」にあたります。
個人差はありますが、28日型の月経周期では、おおよそ月経14日目から次の月経までが「黄体期」にあたります。

体重と症状

おそらく、「月経と体重の変化」の関係を踏まえたうえでダイエットしたいと考えている人もいるでしょう。ちなみに、「黄体期」はプロゲステロンの作用によって体重が増えやすいので、ダイエットには適さないです。
ダイエットしたい場合には、現状の体重が問題ないか確認するようにしましょう。
現状の体重が適正であれば、それをキープするだけで大丈夫です。
ただし、肥満であれば体重を減らしたがいいですし、やせすぎであれば体重を増やした方がいいです。というにも「肥満」や「やせすぎ」によってさまざまな症状が起こるからです。

体重増加(肥満)による症状

月経異常

肥満によって、「無月経」「希発月経」「過少月経」などの月経異常がおこります。
また、卵巣だけでなく「副腎」「脂肪」からの男性ホルモンや女性ホルモンの異常分泌が起こり、「月経不順」や「排卵障害」の原因となります。

不妊症

繰り返しになりますが、肥満によって、「卵巣」「副腎」「脂肪」などから男性ホルモンや女性ホルモンの異常分泌が起こり、「排卵障害」の原因となります。排卵障害から「不妊症」につながります。

体重減少(やせすぎ)による症状

月経異常

やせすぎによって、「月経不順」「無月経」などの月経異常がおこります。
やせすぎだと、エネルギー不足におちいり、月経に費やすエネルギーが不足してしまうためです。やせすぎによって無月経になった状態を「体重減少性無月経」とよばれます。

骨粗しょう症

やせすぎによって、女性ホルモンの分泌量が減少します。女性ホルモンには骨量を増やす作用がありますが、分泌が低下すると「骨粗しょう症」につながります。「骨粗しょう症」になると、軽微なダメージでも骨折しやすい状態になってしまいます。

体重をコントロールする

自分の適性体重を把握して、「肥満」や「やせすぎ」に注意して、体重をコントロールしましょう。体重をコントロールする手順を説明していきます。

①体格を把握する

体格を評価するために「体重」と「身長」から計算される「BMI」(Body Mass Index)というものが使われます。これは、「体重(kg)」を「身長(m)」で2回割ることで求められます。
「厚生労働省健やか親子21」(2006年)ではBMIは「18.5~25.0」が標準体格とされています。

②目標体重をきめる

BMIが「18.5~25.0」の人は、標準体格であるため、この体重をキープするようにしましょう。
BMIが「18.5」未満の人は、やせすぎであるため、体重を増やしてBMIが「18.5」以上を目指しましょう。
BMIが「25.0」以上の人は、肥満であるため、体重を減らしてBMIが「25.0」以下を目指しましょう。
目標体重は、先ほどの「BMI」から逆算して計算するようにします。

③体重を管理をする

体重の管理は「食事」と「運動」が中心となります。
「食事による摂取カロリー」と「運動による消費カロリー」が体重に影響をあたえます。

「食事」は、自分の目標とする必要エネルギーを計算して、栄養バランスよく、よく噛んで食べるようにします。とくに野菜を中心とした食事が健康づくりに大切です。

「運動」は、自分のできる範囲で無理なくこなすことが大切です。
とくに運動習慣がない人は、まずは運動習慣を作ることが重要です。軽いウォーキング、ストレッチなどから、短時間でもいいのではじめてみると良いでしょう。また、日常生活の中でも、階段を積極的に使ったり、通勤している人は1つ前の駅で降りてみて歩く距離を増やす工夫をしてみると良いでしょう。

まとめ

  • 月経周期のうち「黄体期」はプロゲステロンの働きによって体重が増えやすいです。
  • 体重増加(肥満)によって、「月経異常」や「不妊症」などの症状を来します。
  • 体重減少(やせすぎ)によって、「月経異常」や「骨粗しょう症」などの症状を来します。
  • 体格を把握し、目標体重を決めて、体重をコントロールするようにしましょう。

月経に関する悩みは人それぞれ違います。
そして、月経の悩みはデリケートであり、なかなか人に気軽に相談できないかと思います。
一人で抱え込むケースが多く、自分の月経は大丈夫なのか心配になる人は実は多いです。

月経異常がじつは体重と関わっている場合があります。
自分で体重をコントロールできる場合には、「適性体重」になるようにしてみましょう。
ただし、なかなか体重を実際にコントロールすることは難しいです。

月経異常ふくめ、困っている症状があれば勇気をもって産婦人科に相談するようにしましょう。産婦人科は症状で困っている人の味方です。

この記事によって「月経と体重」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。