結論ですが
「子宮頸がん」は、子宮頸部(子宮の入り口の部分)でできる「がん」のことであり、そのほとんどが「HPV」というウイルスが原因でおこります。
この記事は「健康に関心のある」女性に向けて書いています。
女性特有の病気に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「子宮頸がんとHPV」についてわかります。
「子宮頸がん」のほとんどは、「HPV」というウイルス感染が原因です。
「子宮頸がん」に苦しめられている女性は多いです。
日本において、1年間で「約1万人」の女性が子宮頸がんに罹患し、
「約3000人」の女性が子宮頸がんで亡くなっています。
当クリニックでは、子宮頸がんで苦しむ女性を一人でも減らしたいと考えています。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
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正しい知識と行動によって、子宮頸がんは予防することが出来ます。
具体的にいうと、「定期的ながん検診」と「HPVワクチン」がキーポイントになります。
今回は、「子宮頸がんとHPV」について説明していきたいとおもいます。
この記事のまとめ
子宮頸がんとは
子宮頸がんとは
子宮頸がんは、「子宮頸部(子宮の入り口に近い部分)に悪性腫瘍(がん)ができる状態」のことです。
子宮には「子宮頸部」(子宮の下の部分)と「子宮体部」(子宮の上の部分)の2つの部位に分かれます。そのうち「子宮頸部」に、悪性腫瘍(がん)ができる状態が「子宮頸がん」です。
子宮頸がんの原因
子宮頸がんのほとんどは「HPV」(ヒトパピローマウイルス)というウイルス感染が原因です。
「子宮頸部」に「HPV」が持続感染することによって、「子宮頸部異形成」という前がん病変を経て、「子宮頸がん」に進行します。
子宮頸がんの症状
子宮頸がんの早期には自覚症状がないことが多いです。
ただ、症状として多いのが「不正性器出血」(月経以外の性器出血のこと)です。子宮頸部が出血しやすい状態になるので、性交渉などで刺激されると擦れて出血します。
他にも「おりもの異常」や、病変が進行すると「下腹部痛」「腰痛」「背部痛」などの症状が起こります。
子宮頸がんの影響
子宮摘出が必要な場合も
子宮頸がんの治療によって「子宮を摘出すること」が必要になることがあります。
子宮頸がんの組織型や、病変の広がり具合などによって、治療方針は変わります。
初期の子宮頸がんであれば、子宮を温存することも可能な場合がありますが、基本的には「子宮摘出術」以上の治療が必要になることが多いです。
若くして、治療のため子宮摘出が必要で、妊娠できない体になってしまうということもあります。
死亡する場合も
子宮頸がんによって、若いうちに亡くなってしまう場合もあります。
子宮頸がんは、若い女性に多いです。そして、近年、20-30代の女性で増えてきています。
残念ながら、子宮頸がんによって、若いうちに死亡してしまうケースもあります。
HPVとは
HPVとは
「HPV」とは、「Human Palilloma Virus」(ヒトパピローマウイルス)の略称で、子宮頸がんなどの病変の原因となるウイルスです。
HPVは「ありふれたウイルス」
「HPV」は身近に存在しているウイルスであり、いつでもどこにでもある「ありふれたウイルス」として知られています。「HPV」に接する機会も高く、我々の生活にとても馴染み深いウイルスです。
HPVのほとんどが自然排除される
「HPV」は「ありふれたウイルス」であり感染しても、そのほとんどは自分自身の免疫反応によって自然排除されます。しかし、「HPV」が自然排除されなかった場合は、持続感染することになり、「病変」が形成されます。
HPVの影響
HPVによる疾患
「HPV」の持続感染によって「病変」が形成されます。「HPV」の型(タイプ)によって、形成される病変が異なります。
たとえば、「HPV16・18・31・52・58型」などのハイリスク型のHPV感染によって「子宮頸がん」、「HPV6・11」では「尖圭コンジローマ」、「HPV2・4」では「尋常性疣贅」(じんじょうせいゆうぜい)、「HPV3・10」では「青年性扁平疣贅」などが形成されます。また、ハイリスク型のHPV感染によって「外陰がん」「咽頭がん」などが起こります。
HPVと子宮頸がん
「子宮頸がん」のほとんどは「HPV」による感染が原因です。
性交渉などによって「HPV」が子宮の入り口近い部分(子宮頸部)に感染します。多くは自分の免疫で自然排除されます。しかし、「HPV」が持続感染してしまうと、「異形成」という「前がん病変」を経て、「微小浸潤がん」以上に進行します。すると「子宮頸がん」と呼ばれる状態になります。
子宮頸がんを防ぐために
子宮頸がんは、「HPVワクチン」と「定期的ながん検診」によって予防することができます。
HPVワクチンと子宮頸がん予防
子宮頸がんの予防接種として知られている「HPVワクチン」によって、子宮頸がんを予防することできます。
HPVワクチンはHPVの感染自体を予防することで、「子宮頸がん」や前がん病変である「異形成」の発生を防ぐことができます。
定期的ながん検診と子宮頸がん予防
定期的ながん検診で、「異形成」(前がん病変)の早期発見・早期治療をして子宮頸がんを予防します。
子宮頸部（子宮の入り口に近い部分）にHPVが持続感染すると「異形成」(前がん病変)を経て、「微小浸潤がん」以上の「子宮頚がん」となります。
「HPVの感染」から「子宮頚がん」に進行するまでは、「数年から十数年」かかると言われています。
「定期的な子宮頸がん検診」によって「異形成」と呼ばれる前がん病変のうちに見つけることが出来れば「円錐切除術」や「レーザー蒸散術」などの比較的小さな治療で済むことができ、「早期発見」「早期治療」することが可能です。
子宮頸がんのない世界を
「HPVワクチン」と「定期的な子宮頸がん検診」を組み合わせることで、子宮頸がんのほとんどを予防することができます。
「HPVワクチン」によって、HPV感染を防ぐことが可能です。さらに「定期的ながん検診」で、「異形成」(前がん病変)の早期発見・早期治療をして子宮頸がんを予防できます。「HPVワクチン」と「定期的な子宮頸がん検診」を組み合わせることで、子宮頸がんのない世界は実現することができます。
正しい知識と行動によって子宮頸がんを予防していきましょう。
まとめ
日本において、「子宮頸がん」は若い女性で増えています。
とくに20代・30代での増加が著しいです。
「HPVワクチン」が普及している先進国のほとんどは子宮頸がんが減っています。
日本は、「HPVワクチン」の普及が遅れている状況です。
子宮頸がんは、「HPVワクチン」と「定期的ながん検診」によって予防できます。
すべての女性が正しい知識をもって行動すれば、「子宮頸がん」のない世界は実現することができます。
産婦人科の受診はハードルが高いと思いますが、正しい知識と行動によって「子宮頸がん」を予防することができます。
ご自身の健康を守れるのは自分自身のみです。
この記事によって「子宮頸がんとHPV」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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