HPVワクチンのキャッチアップ接種

結論ですが、

HPVワクチンのキャッチアップ接種とは、HPVワクチンの積極的勧奨の差し控えによって、接種機会を逃した方を対象とした公費負担のワクチン接種のことです。

この記事は「HPVワクチン」について知りたい人に向けて書いています。
健康に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「HPVワクチンのキャッチアップ接種」についてわかります。

HPVワクチンのキャッチアップ接種って何ですか?

このような疑問にお答えします。

子宮頸がんの予防効果のあるHPVワクチン。

先進国では、HPVワクチンが普及して、子宮頸がんの罹患が低くなってきている報告があり、この勢いでいくと「子宮頸がん」は稀少がんになり、過去の病気になるのではないかと言われています。
そんな中、日本においては、副反応問題の影響で普及していないのが現状です。
WHOからも勧告を受けており、HPVワクチンを普及させることが課題となっています。

HPVワクチンの安全性も科学的証明され、HPVワクチンの積極的勧奨を再開し、HPVワクチンを普及させようとする流れがあります。

では、HPVワクチンを接種したいのですが、公費負担の対象になっていますか?

ということで、今回は「HPVのキャッチアップ接種」について説明したいと思います。

「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
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この記事のまとめ

1.HPVワクチンとは

「HPVワクチン」は、「子宮頸がんの予防接種」で用いられます。

子宮頸がんのほとんどは「HPV」(ヒトパピローマウイルス)というウイルス感染が原因です。性交渉などによって「HPV」が子宮の入り口近い部分(子宮頸部)に感染します。

「HPVワクチン」によって、「HPV」の感染を予防することで、子宮頸がんを予防することできます。

HPVワクチンは、「子宮頸がん」を予防するだけでなく、性感染症の「尖圭コンジローマ」や、「外陰がん」「腟がん」「肛門がん」「直腸がん」「咽頭がん」などの子宮頸がん以外のがんの予防効果もあります。

2.HPVワクチンの積極的勧奨

HPVワクチンの流れ

日本でのHPVワクチン接種は2009年12月から開始されました。

この間にワクチンは普及し、2013年4月からHPVワクチンは定期接種となり、「小学6年から高校1年女子」が対象になっていました。

積極的接種の差し控え

定期接種した時期から、HPVワクチンを接種した後の体調不良を訴える声が相次ぎました。2013年6月に、国は自治体に対して「積極的接種を差し控えるよう求める通知」が出されました。

HPVワクチンの副反応が社会問題としてピックアップされるようになり、70%程度だった接種率は、1%未満まで落ち込みました。

不思議な扱い

HPVワクチンは「定期接種」にも関わらず、「積極的接種の差し控え」という不思議な扱いがされていました。

しかし、あくまでもHPVワクチンは「定期接種」ではあるので、対象者は原則無料で接種することができます。

積極的勧奨の再開へ

今まで、HPVワクチンは「積極的接種」の差し控えていましたが、今回政府は「積極的勧奨」を再開する方針を2021年8月31日に決めました。

そして、積極的勧奨の差し控えによってHPVワクチンを接種する機会を逃した人を対象とした「キャッチアップ接種」が2022年4月から行われます。

3.HPVワクチンのキャッチアップ接種

HPVワクチンのキャッチアップ接種

HPVワクチンのキャッチアップ接種とは、HPVワクチンの積極的勧奨の差し控えによって、接種機会を逃した方を対象とした公費負担のワクチン接種のことです。

平成25年から令和3年にかけて、HPVワクチンの積極的勧奨の差し控えがありました。
HPVワクチンは定期接種であるので、対象者は公費負担で無料で受けることができます。
しかし、その時期にHPVワクチンに関する情報を十分得ることができず、ワクチンを接種する機会を逃してしまった人がいます。
このような人を救済するために「HPVワクチンのキャッチアップ接種」が行われます。

対象者

HPVワクチンのキャッチアップ接種の対象者は、「平成9年度生まれ」から「平成17年度生まれ」の9学年です。

つまり、令和4年度(令和4年4月から令和5年3月まで)において、17歳から25歳になる学年の女性が対象となります。
生年月日でいうと、「平成9年4月1日から平成18年3月31日までの人」が対象となります。

ちなみに、HPVワクチンの定期接種は「小学校6年から高校1年生にあたる学年」つまり12歳から16歳になる学年の女子が対象となります。

期間

HPVワクチンのキャッチアップ接種の期間は、「令和4年4月から令和7年3月まで」の3年間です。

まとめ

今回は「HPVワクチンのキャッチアップ接種」について説明しました。

子宮頸がんは、「HPVワクチン」や「定期的ながん検診」によって予防することができます。しかも予防効果が科学的に証明されています。

がんの種類は多くありますが、確立された予防法があるがんは実は数が限られています。

今回紹介した「HPVワクチン」が普及すると「子宮頸がんのない世界」が目指せます。

くれぐれも、ワクチンによる効果と、副反応などのリスクをしっかりと検討した上で実際に接種するか判断しましょう。

この記事によって「HPVワクチンのキャッチアップ接種」について理解が深まり、子宮頸がんのない世界を目指していきましょう。

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