結論ですが
MVA(手動真空吸引法)は「子宮内膜へのダメージが少ない」「子宮穿孔のリスクが低い」「痛みが少ない」「感染リスクが低い」などのメリットがある中絶手術の方法です。
この記事は「中絶手術をどうしようか」と悩んでいるヒトに向けて書いています。
健康に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「中絶手術のMVA」についてわかります。
人工妊娠中絶を受けたいですが、どうすればいいですか?
このような悩みにお答えします。
人工妊娠中絶とは、人工的に「お腹の中の赤ちゃん」や「胎盤」や「へその緒」などを母体の外に排出することをいいます。
人工妊娠中絶手術には、いくつかの方法があります。
日本では、金属の鉗子をつかった「掻把(そうは)術」や、電動吸引を使用した「吸引法」がおもに行われてきました。
最近では、安全性などに優れている「MVA」(手動真空吸引法)が行われるようになってきています。
これは、海外で広く行われており、WHO(世界保健機構)から強く推奨された手術方法です。
では、「MVA」とはなんだろう?
ということで、今回は「MVA」について説明していきます。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
MVAとは
MVAとは、Manual Vaccum Aspirationの略であり「手動真空吸引法」という人工妊娠中絶の手術の方法です。
MVAでは、柔かい使い捨ての器具を使用して、子宮の内容物を除去する手術が行われます。
まず、子宮の入り口から、細長いチューブが挿入されます。そして、チューブに陰圧で吸引される器具を装着します。陰圧がかかると、子宮の内容物が吸引されて除去されます。
そして、子宮内容物がすべて吸引されたことを確認して手術終了となります。
「MVA」は、従来行われてきた、金属の鉗子をつかった「掻把(そうは)術」や、電動吸引を使用した「吸引法」と比べると様々なメリットがあります。
では、順にみていきましょう。
MVAのメリット1：子宮内膜へのダメージが少ない
MVAでは、子宮の内容物のみを吸引するので、子宮内膜へのダメージが少ないです。
とくに、従来の「掻把術」では金属の鉗子を用いて、子宮内容物を掻き出す操作が行われます。その時に、子宮内膜もゴリゴリと擦られてしまい、手術後に子宮内膜が薄くなってしまったり、子宮の中が癒着してしまうことも起こる場合がありました。
MVAでは、子宮の内容物のみを吸引するので、子宮内膜をキズつけることなく行われます。
MVAのメリット2：子宮穿孔のリスクが低い
MVAでは、使われる器具が柔らかいため、子宮穿孔のリスクが低いです。
従来の「掻把術」や「吸引法」では、金属製の器具が使われます。硬い素材であるため、子宮に穴を空けてしまう「子宮穿孔」のリスクが、稀ではあるがあります。
MVAでは、使われる器具が柔らかく、先端も鈍になっています。そのため、子宮の中に器具を挿入したときに、従来法と比べて子宮穿孔のリスクが低くなります。
MVAのメリット3：痛みが少ない
MVAでは、使われる器具の先端が柔らかく細いため、痛みが少ないです。
従来の「掻把術」や「吸引法」では、金属製の硬い器具が使われます。そのため、子宮の中に器具を入れるときに痛みをともなうことが多いです。
MVAでは、使われる器具の先端は柔らかく細いため、子宮の中に器具を挿入するときに刺激が少なくなります。従来法と比べて手術操作にともなう痛みが少なくなります。
MVAのメリット4：感染リスクが低い
MVAでは、1回の使い捨てタイプの器具が使われるため、感染リスクが低いです。
従来の「掻把術」や「吸引法」では、金属製の器具が何回も使われます。
しっかりと、消毒・滅菌した上で器具が使われますので、感染対策は万全ではあります。
しかし、MVAでは1回の使い捨てタイプであるため、従来法と比べると感染リスクは低くなります。
まとめ
今回は「MVA」について説明しました。
MVAは子宮に優しい手術方法です。
従来法と比べてコストはかかってしまうものの、さまざまなメリットがあります。
手術の安全性が何よりも大切だと考えており、当院でも中絶手術では「MVA」を採用しております。
中絶手術を受けようと悩んでいるときには、手術方法もふくめて一度受診して相談してみてはいかがでしょう。
この記事によって「MVAという中絶手術の方法」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立って頂ければ幸いです。
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