結論ですが、
ピルは、血栓症のリスクがあるため、手術前4週間から手術後2週間の休薬が必要です。
この記事は「ピル」について知りたい人に向けて書いています。
ピルに関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「ピルの術前休薬」についてわかります。
手術を受けることになりましたが、ピルはやめた方がいいですか?
このような疑問にお答えします。
避妊目的、月経症状の改善目的などでピルを飲んでいる人がいるかと思います。
ピルを使っている場合、いくつか気を付けたいことがあります。
たとえば、「ピルの重大な副作用」「飲み忘れの対応」「手術を受けることになった」などなど。
その中でも、今回は「ピルの術前休薬」について説明します。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
1.ピルとは
ピルは、おもに「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンの成分を含むくすりのことをいいます。
もともとピルは、妊娠をしないための薬である「経口避妊薬」(OC)として使われていました。
じつはピルをのんでいる人は「月経痛が軽くなる」「月経量が少なくなる」などの効果もあることがわかってきました。
「避妊」目的で使われてきたピルを、月経症状を改善することを目的として「低用量エストロゲン・プロゲステロン」(LEP)製剤がつくられました。
2.ピルの術前休薬
ピルは、血栓症のリスクがあるため、手術前4週間から手術後2週間の休薬が必要です。
避妊目的、月経症状の改善目的などでピルを飲んでいる人は、手術を受けることになった場合、ピルを休薬する必要があるので覚えておきましょう。
ピルを使用していると「血栓症」という血液がかたまる疾患になるリスクが上がります。
血栓という「血液のかたまり」がはがれて肺の血管に飛んでしまうと、命を落としてしまう場合もあるおそろしい疾患です。
さらに、手術を受ける場合、手術前後の安静や、手術中の体勢維持、手術による体への負担などから、血栓症のリスクが上がります。
つまり、ピルは、血栓症のリスクがあるため、手術を行う場合には、「手術前4週間」から「手術後2週間」の休薬が必要となるのです。
ただし、「短時間の小手術」や「緊急手術」では、ピルの休薬をせずに手術が行われる場合があります。かならず、手術を担当する医師に確認するようにしましょう。
3.ピルの種類
では、自分が使用している薬が、手術前後に休薬が必要なピルなのか確認したいかと思います。
ピルには、OCとLEPがあり、その種類は以下の通りです。
OC
ピルの中でも避妊目的のOCは以下の通りです。
「アンジュ21」
「アンジュ28」
「ラベルフィーユ21」
「ラベルフィーユ28」
「トリキュラー21」
「トリキュラー28」
「ファボワール21」
「ファボワール28」
「オーソM」
「オーソ777」
「シンフェーズ」
LEP
ピルの中でも月経症状の治療目的のLEPは以下の通りです。
「フリウェルULD」
「フリウェルLD」
「ルナベルULD」
「ルナベルLD」
「ジェミーナ配合錠」
「ヤーズ配合錠」
「ヤーズフレックス」
まとめ
今回は「ピルの術前休薬」について説明しました。
ピルをうまく活用すると、女性の生活の質が上がります。
月経にともなう症状を改善することができ、仕事やプライベートでも快適に過ごすことをサポートしてくれます。
ただし、ピルには気を付けなければならない点もいくつかあります。
今回説明した「手術を受けることになった場合」もその一つです。
手術を受けることになった場合には、「ピルの休薬が必要なのか」「休薬期間はいつからいつまでになるのか」しっかりと確認しましょう。
ピルだけでなく、くすりを使う場合には、その特性を理解した上で、用法用量や注意点を守って、安全に使うことが大切です。
ピルを使用していて何か疑問をお持ちの方は、気軽にかかりつけの婦人科医に相談するようにしましょう。
この記事によって「ピルの術前休薬」について理解が深まり、一人でも多くの人に役に立って頂ければ幸いです。
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