妊活の前に!プレコンセプションケア【解説① 女性 前編 1-7】

結論ですが

プレコンセプションケアとは、将来の妊娠のためのヘルスケアをおこなうことです。

この記事は「妊活中の女性」に向けて書いています。
妊活に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「プレコンセプションケア」についてわかります。

みなさんは「プレコンセプションケア」という言葉をご存知でしょうか?

これは、妊活をする前から、将来の妊娠を考えながら、ご自身の体と心の状態を知り、日々の生活や健康と向き合うことです。
妊娠を意識している人はもちろんのこと、まだ具体的に妊娠を考えていないような「10代」から「20代」の女性も今すぐにでも始めて欲しい内容です。

「国立成育医療センター」には「プレコンセプションケアセンター」があり、プレコンセプションケアに対してとても力を入れています。その中で、女性用の「プレコンセプションケア・チェック項目」があり「20項目」掲げられています。

今回は「プレコンセプションケアの20のチェック項目(女性用)」について説明していきます。

この記事のまとめ

国立成育医療センターHPより抜粋

プレコンセプションケアとは

プレコンセプションケアとは、適切な時期に、適切な知識・情報を女性やカップルに提供し、将来の妊娠のためのヘルスケアをおこなうことです。

プレコンセプションケアは、妊娠を意識している人はもちろんのこと、まだ具体的に妊娠を考えていないような「10代」から「20代」の女性も今すぐにでも始めて欲しいケアです。
プレコンセプションケアの重要性は、2006年にアメリカ疾病管理予防センター「CDC」、2012年に世界保健機構「WHO」、2015年には世界産婦人科連合「FIGO」で本格的に推奨されており、日本では2015年に「国立成育医療研究センター」でプレコンセプションケアセンターが開設されました。
そこでは、女性用の「プレコンセプションケアにおける20のチェック項目」が掲げられており、順番に解説していきたいと思います。

1.適正体重をキープしよう

適性体重(BMI:18.5~25)をキープするようにしましょう。

適性体重をキープすることで、ご自身の健康だけでなく、将来の妊娠や出産のリスクを減らすことができます。「やせすぎ」(BMI<18.5)や「肥満」(BMI>25)の場合の妊婦では、妊娠や出産においてさまざまなリスクが知られています。
たとえば、「やせすぎ」の妊婦では、「切迫早産」「早産」「胎児発育不全」「低出生体重児」などのリスクが高くなります。また、妊娠中に長期に渡り「低栄養状態」にさらされた発育不全の胎児は、将来の「糖尿病」「高血圧」「脂質代謝異常症」など生活習慣病のリスクが上昇します。
また、「肥満」の妊婦では、「妊娠糖尿病」「巨大児」「肩甲難産」・「妊娠高血圧症候群」「死産」「胎児機能不全」「児の神経管閉鎖障害」などのリスクが高くなり、「帝王切開」での分娩が増える傾向にあります。

妊娠する前から、適性体重(BMI:18.5~25)をキープすることで、ご自身の健康だけでなく、将来の妊娠や出産のリスクを減らすことができるのです。

2.禁煙する、受動喫煙を避ける

喫煙している人は禁煙するようにしましょう。

喫煙によってご自身の健康が害するとともに、妊娠したときにお腹の中の赤ちゃんなどに影響を与えます。
喫煙者において「脳卒中」「虚血性心疾患」「肺がん」「慢性閉塞性肺疾患」(COPD)などのさまざまな病気のリスクが上がります。
また、妊娠した場合には、「流産」や「早産」のリスクが上がるとともに、「胎児発育不全」「常位胎盤早期剥離」につながることがあります。また、産まれた後の赤ちゃんの「乳幼児突然死症候群」「喘息」「耳の病気」などのリスクが上がります。

喫煙は、ご自身の健康だけでなく、副流煙に伴って周りの人、そして妊娠すると赤ちゃんにも影響を与えます。健康のために必ず禁煙するようにしましょう。

3.アルコールを控える

ご自身の健康や将来の妊娠に備えて、アルコールを控えるようにしましょう。

最近の研究では少量のアルコール摂取でも、健康に影響を与えることが知られています。
また、妊娠したときにアルコールを摂取すると、「胎児性アルコール症候群」とよばれる先天異常をきたす可能性があります。少量のアルコール摂取でも「胎児性アルコール症候群」がおこる可能性が報告されており、安全とされている摂取量がわかっていない状況です。

ご自身の健康や将来の妊娠に備えて、アルコール摂取は控えるようにしましょう。

4.バランスのよい食事をこころがける

栄養バランスの良い規則正しい食事をこころがけるようにしましょう。

いうまでもなく、栄養バランスの良い規則正しい食事習慣は健康に良いです。
将来妊娠した時にお腹の中の赤ちゃんが健やかに育つためにも、妊娠する前から栄養バランスの良い規則正しい食事習慣を身につけておきましょう。

5.食事やサプリメントから葉酸を積極的に摂取しよう

食事やサプリメントから葉酸を積極的に摂取するようにしましょう。

妊娠 1 ヶ月以上前から妊娠 3 ヶ月まで、サプリメントなどから葉酸を 「1 日 0.4mg」 摂取するようにしましょう。葉酸を適切に摂取することで赤ちゃんの「神経管閉鎖障害」(無脳症・脳瘤・二部脊椎など)という先天疾患のリスクを低くすることができます。
葉酸を摂取するポイントは「妊娠する前」から摂取することであり、妊活中から摂取するようにしましょう。
具体的には、葉酸を食事から通常の推奨量の「1日0.24mg」に加えて、サプリメントなどから「1日0.4mg」摂取することがすすめられています。

食事やサプリメントから葉酸を積極的に摂取することで、赤ちゃんの「神経管閉鎖障害」のリスクを下げることが出来るのです。

6.週に150分の運動しよう。こころもからだも活発に!

週に150分程度の適度な運動をおこなうようにしましょう。

運動不足になりがちな現代人ですが、「週に150時間」程度の運動する時間を確保するようにしましょう。
適度な運動は、ご自身の健康に良いだけでなく、将来の妊娠やお産の時に備えて体力をつけておくことができます。
妊娠をすると、ホルモン環境の変化や体型の変化や環境の変化などから、様々な不調が出やすかったりします。妊娠する前の今のうちに、運動などの生活習慣を整え、ご自身の体調を整えておくようにしましょう。

週に150分程度の適度な運動をおこなうようにして、健康習慣を作るようにしましょう。

7.ストレスをためこまない

「ストレス」を減らす、対処することで、ストレスをため込まないようにしましょう。

「ストレス」は万病の元であり、ご自身のからだやこころの健康に悪影響を及ぼします。
また、妊娠に関して言うと、ストレスによって妊娠率が低下したり、男性であれば精子の状態が悪化することが知られています。

「ストレス」を減らす、対処することで、ストレスをため込まないようにしましょう。

まとめ

国立成育医療センターHPより抜粋

プレコンセプションケアはとても重要な概念です。
ご自身の健康だけでなく、将来の妊娠・出産、これから育まれていく新たな命へのトータルな視点でのヘルスケアを考えていくことにつながります。

是非とも、プレコンセプションケアのチェック項目を活用するようにしましょう。
1つでもいいので、出来ることを少しずつおこなっていくようにしましょう。
次世代にわたって健康で笑顔があふれるような社会になることを願っています。

この記事によって「プレコンセプションケア」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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