結論ですが
プレコンセプションケアとは、将来の妊娠のためのヘルスケアをおこなうことです。
この記事は「妊活中の女性」に向けて書いています。
妊活に関する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「プレコンセプションケア」についてわかります。
みなさんは「プレコンセプションケア」という言葉をご存知でしょうか?
これは、妊活をする前から、将来の妊娠を考えながら、ご自身の体と心の状態を知り、日々の生活や健康と向き合うことです。
妊娠を意識している人はもちろんのこと、まだ具体的に妊娠を考えていないような「10代」から「20代」の女性も今すぐにでも始めて欲しい内容です。
「国立成育医療センター」には「プレコンセプションケアセンター」があり、とても力を入れています。その中で、女性用の「プレコンセプションケア・チェック項目」があり「20項目」掲げられています。
今回は「プレコンセプションケアの20のチェック項目(女性用)中編」について説明していきます。
この記事のまとめ
プレコンセプションケアとは
プレコンセプションケアとは、適切な時期に、適切な知識・情報を女性やカップルに提供し、将来の妊娠のためのヘルスケアをおこなうことです。
プレコンセプションケアは、妊娠を意識している人はもちろんのこと、まだ具体的に妊娠を考えていないような「10代」から「20代」の女性も今すぐにでも始めて欲しいケアです。
プレコンセプションケアの重要性は、2006年にアメリカ疾病管理予防センター「CDC」、2012年に世界保健機構「WHO」、2015年には世界産婦人科連合「FIGO」で本格的に推奨されており、日本では2015年に「国立成育医療研究センター」でプレコンセプションケアセンターが開設されました。
そこでは、女性用の「プレコンセプションケアにおける20のチェック項目」が掲げられており、前編に続いて解説していきたいと思います。
8.感染症から自分を守る(風疹・B型/C型肝炎・性感染症など)
風疹
風疹の感染は予防接種によって防ぐことが出来ます。
「風疹の抗体価」が低い状態であると、風疹にかかってしまう可能性が高いです。
成人がはじめて風疹にかかると、「高熱」「関節痛」「発疹」が長引いたり、重症化することがあります。
また、妊娠中に風疹にかかってしまうと、お腹の中の赤ちゃんが「先天風疹症候群」になってしまう可能性があります。また、妊娠中は風疹ワクチンは原則接種できないです。妊娠する前の妊活中のうちに風疹抗体価の検査をするとともに、風疹ワクチン接種をするようにしましょう。
B型/C型肝炎
B型肝炎やC型肝炎のウイルスは血液を介する行為を避けることで予防することができます。
B型肝炎やC型肝炎のウイルスに感染すると、「慢性肝炎」から「肝硬変」「肝がん」につながる可能性があります。
B型肝炎やC型肝炎のウイルスは主に血液を介して感染します。とくに「輸血」や「性交渉」「いれずみ」など血液を介するときに感染する可能性が高いです。また、B型肝炎やC型肝炎のウイルスはお産のときに赤ちゃんに感染する可能性があるのです。
B型肝炎やC型肝炎のウイルスは血液を介する行為を避けることで予防するようにしましょう。
性感染症
性感染症は、不特定多数との性行為を避けること、コンドームの着用をすることなどで防ぐことが出来ます。
性行為によって感染する種類の感染症を「性感染症」とよばれます。
性感染症にはさまざまな種類がありますが、とくに「クラミジア」や「淋菌」などの感染では不妊症の原因となることがあります。
性感染症は、「不特定多数との性行為を避けること」「コンドームの着用をすること」などで防ぐようにしましょう。
9.ワクチンを接種しよう(風疹・インフルエンザなど)
風疹
風疹のワクチンを接種して風疹の感染を防ぎましょう。
「風疹の抗体価」が低い状態であると、風疹にかかってしまう可能性が高いです。
とくに妊娠中に風疹にかかってしまうと、お腹の中の赤ちゃんが「先天風疹症候群」になってしまう可能性があります。また、妊娠中は風疹ワクチンは原則接種できないです。妊娠する前の妊活中のうちに風疹抗体価の検査をするとともに、風疹ワクチン接種をするようにしましょう。
インフルエンザ
インフルエンザのワクチンを流行時期の前には接種して、インフルエンザの感染を防ぎましょう。
とくに妊娠中にインフルエンザにかかってしまった場合、母体は重症化してしまうリスクが高くなります。また、インフルエンザ感染によって「流産」や「早産」につながることがあります。
それらを予防するために、インフルエンザの流行時期の前にはワクチンを打つようにしましょう。
10.パートナーも一緒に健康管理をしよう
妊娠をするために、妊娠を望む2人が心身ともに健康であることが大切です。
不妊の原因は、「男性もしくは男女ともに原因があること」「女性が原因であること」がそれぞれほぼ半数を占めています。つまり、男女ともに妊娠するための活動が必要ということになります。
つまり、女性だけでなく、男性も心身ともに健康であることが大切です。
そして、愛し合う2人が「何人」のこどもを「いつ」望んでいるのかなど「家族計画」をお互いに話し合って、それに対して出来ることを行っていくことが個人的には一番大事だと思います。
将来の健康や妊娠などのために、パートナーも一緒に健康管理をするようにしましょう。
11.危険ドラッグを使用しない
ご自身の健康や将来妊娠する赤ちゃんのために危険ドラッグを使わないようにしましょう。
法律で取り締まられるような「麻薬」「大麻」「覚せい剤」などはもちろんのこと、依存性の高い「脱法ドラッグ」なども使わないようにしましょう。
依存性の高さから、ドラッグを求めてしまい、心身ともにボロボロの状態となってしまい、日常生活が破綻してしまうケースがあります。
また、妊娠した場合に、ドラッグが胎盤を通じて赤ちゃんに悪影響を与える可能性があります。
ご自身の健康や将来妊娠する赤ちゃんのために危険ドラッグを使わないようにしましょう。
12.有害物質を避ける
ご自身の健康や将来妊娠する赤ちゃんのために有害物質を避けるようにしましょう。
有害物質は、人や生態系に対して有害な物質を指します。たとえば、「ダイオキシン」「カドミウム」「水銀」「塩素」「鉛」などがあります。以前に公害などで人体への影響が問題になった物質などもあります。
ご自身の健康や将来妊娠する赤ちゃんのために、このような有害物質を避けるようにしましょう。
13.生活習慣病をチェックしよう!(血圧・糖尿病・検尿など)
ご自身の健康や将来妊娠する赤ちゃんのために生活習慣病をチェックしましょう。
血圧
血圧を測定することで「高血圧」かどうか判断できます。
高血圧によって、将来の「心筋梗塞」「動脈硬化」「脳卒中」などの心臓や血管の病気のリスクが高まります。
また、妊娠によって「高血圧」となることがあります。もともと高血圧があるのか、妊娠がきっかけで高血圧になったのかわからなくなるケースがあるため、妊娠する前から高血圧があるか検査を受けるようにしましょう。
糖尿病
血液検査や尿検査などで「糖尿病」かどうか判断できます。
糖尿病によって、将来の「心筋梗塞」「動脈硬化」「脳卒中」などの心臓や血管の病気のリスクが高まります。また、糖尿病が悪化すると、「網膜症」から失明につながったり、「神経障害」「腎障害」などの合併症が起こります。
また、妊娠によって「糖尿病」となることがあります。もともと糖尿病があるのか、妊娠がきっかけで糖尿病になったのかわからなくなるケースがあるため、妊娠する前から糖尿病があるか検査を受けるようにしましょう。
14癌のチェックをしよう!(乳がん・子宮頸がんなど)
乳がん検診
40歳以上の女性は「乳がん検診」を受けるようにしましょう。
がん診療は、早期発見・早期治療が原則です。がんを早期発見するために、症状がなくても検診を受けるようにしましょう。
近年、日本では、乳がんがみつかる女性が増えており、30年前の約4倍の4万人以上となっており、死亡率も毎年増加しています。
「乳がん検診」を受けることによって、乳がんの早期発見・早期治療が可能です。
是非とも乳がん検診を受けるようにしましょう。
子宮頸がん検診
20歳以上の女性は、「子宮頚がん検診」を受けるようにしましょう。
「子宮頸がん」は若い人のがんです。「子宮頸がん」によって、若くして亡くなってしまう可能性があります。また、「子宮頸がん」の治療のために子宮を摘出する手術が行われ、妊娠できない体になってしまう可能性があります。
「定期的な子宮頸がん検診」によって、子宮頸がんを防ぐことが出来ます。
是非とも子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。
まとめ
プレコンセプションケアはとても重要な概念です。
ご自身の健康だけでなく、将来の妊娠・出産、これから育まれていく新たな命へのトータルな視点でのヘルスケアを考えていくことにつながります。
是非とも、プレコンセプションケアのチェック項目を活用するようにしましょう。
1つでもいいので、出来ることを少しずつおこなっていくようにしましょう。
次世代にわたって健康で笑顔があふれるような社会になることを願っています。
この記事によって「プレコンセプションケア」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
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