性病かもしれないです!?産婦人科ではどのような検査をしますか?

結論ですが

性感染がうたがわしいときに勇気をもって婦人科を受診しましょう。

この記事は「症状で困っている」女性に向けて書いています。
女性特有の症状の悩みが解決できればと思っています
この記事を読むことで「性感染症」についてわかります。

性交渉をしてから…

  • 陰部がかゆくなってきた
  • 陰部にできものが出てきた
  • おりものがいつもと違っている
  • 熱が出た
  • のどが痛む

などの症状がある場合、性感染症の可能性があります。

性感染がうたがわしいときに婦人科を受診しようかどうか迷うかとおもいます。
なお、無症状の場合でも性感染にかかっている可能性はあります。
すこしでも心当たりがあれば、婦人科を受診したほうがいいです。

とはいっても、1回も産婦人科を受診したことのないひとにとっては、産婦人科受診はハードルが高いかとおもいます。
すこしでも産婦人科受診のハードルがさがるように、今回は産婦人科受診では実際にどのような検査がおこなわれるのかについて説明していきます。

この記事のまとめ

  • 性感染の検査には「視診」「おりもの検査」「血液検査」「口腔咽頭検査」「子宮頸がん検診」などがあります。
  • 性感染の病原体は「細菌」「ウイルス」「真菌」「原虫」などさまざまあります。
  • すこしでも性感染の可能性があれば婦人科を受診しましょう。

性感染はどんな検査をしますか?

性感染症の検査には「視診」「おりもの検査」「血液検査」「口腔咽頭検査」「子宮頸がん検診」などがあります。
実際には、症状などから疑う性感染の種類によって使い分けることが多いです。

視診

陰部などに病変がないかみて確認します。
性器ヘルペスの場合、「発赤」「みずぶくれ」「潰瘍」などを認めます。
尖圭コンジローマの場合、「カリフラワー」や「鶏のとさか」みたいなかたちをした「イボ」をみとめます。
カンジダの場合、「発赤」「白いおりもの」が増えていて陰部にも出てきていることがあります。

おりもの検査

クスコという器械を腟内に入れて「おりもの」を採取します。
その際に、子宮の入り口や腟内を観察して病変がないか、おりものの量や性状はどのようなのかの確認もおこないます。そして、「おりもの」を拭って採取して検査します。
検査方法には「その場で顕微鏡でのぞく検査」「培養にかける検査」「PCR検査」などがあります。
「顕微鏡でのぞく検査」では、「カンジダ」や「トリコモナス」などをみとめるかどうかわかります。その場でおこなうので、すぐにわかります。
「培養にかける検査」では、腟内の細菌を増やして、「何の菌がいるか」「効果のある抗生剤は何なのか」がわかります。
「PCR検査」では、「クラミジア」「淋菌」をみとめるかどうかわかります。
ただし、いずれの検査も時間がかかるので、その場ではわからないことが多いです。

血液検査

血液を採取して検査をします。
血液中に「ウイルスの抗原」や「ウイルスに対する抗体」がないか確認します。
おもに、「B型肝炎」「C型肝炎」「HIV」「梅毒」などをしらべます。これらはおもに血液を介して感染することが多いです。「性行為」以外にも、「輸血」「刺青」「ハリ治療」などでも感染をきたすことがあります。

口腔咽頭の検査

口の中をみて、のどの部分から粘液をぬぐって採取して検査をします。
「クラミジア」「淋菌」などの検査をおこないます。
近年の性行為の趣向の変化にともない、「Oral sex」(口をつかった性行為)もおこなわれるようになってきています。
その流れで、「性器」から「口腔内」に感染しているケースもあります。軽いのどの痛みなど軽症のことがおおく、症状に気づかないことが多いです。すこしでもうたがった場合は、のどの部分の検査もおこないます。
のどの部分から粘液をぬぐって採取して検査をします。ぬぐったものをPCR検査にかけて「クラミジア」「淋菌」などの検査をおこないます。

子宮頸がん検診

子宮頸がんは、じつは「HPV」というウイルス感染によっておこる「がん」です。おもに性交渉によって感染することがおおいです。
20歳以上のすべての女性が子宮頸がん検診が対象となります。
子宮頸がんは、子宮頸がん検診を定期的に受けると予防することが可能です。
おそらく、産婦人科医は一緒に子宮頸がん検診をすすめてくるはずです。もし、定期的な子宮頸がん検診をうけていない場合には、子宮頸癌がん検診をうけるようにしましょう。

関連リンク
なぜ、産婦人科医師はやたらと子宮頸がん検診をすすめてくるのか?

なお、HPVにはいくつかタイプがあって、「尖圭コンジローマ」の原因にもなります。また、のどの部分へのHPV感染にともなって「喉頭がん」「咽頭がん」が引き起こされる可能性もあります。
実は子宮頸がんの予防接種は「HPVワクチン」であり、女性だけでなく男性の「尖圭コンジローマ」や「喉頭がん」「咽頭がん」にも予防効果があります。

性感染症の種類

性行為によって感染するものを「性感染」といいます。
そして感染してなにかしらの症状をきたすものを「性感染症」といいます。
性感染は、性行為にともなって「直接的な接触」や「粘液」「血液」などを介してヒトからヒトへ感染します。性感染の病原体には「細菌」「ウイルス」「真菌」「原虫」などいくつか種類があります。
それら病原体によって症状には特徴があります。実際には、症状や視診などから性感染症を疑い、その種類に応じて必要な検査をおこなっていきます。

まとめ

性感染の検査には「視診」「おりもの検査」「血液検査」「口腔咽頭検査」「子宮頸がん検診」などがあります。

性感染には、「細菌」「ウイルス」「真菌」「原虫」などさまざまあります。

すこしでも性感染の可能性があれば婦人科を受診しましょう。

少しでも心当たりがあり、性感染が疑わしい場合、婦人科を受診すると怒られるのではないかと心配する人が多いです。
受診が遠のいてしまった場合、症状が重症化して治療が難しくなることもあるので、勇気をもって早めに受診するようにしましょう。
婦人科はみなさんの味方です。受診したら、正直に心当たりがあることを話してください。

また、性感染はパートナーと病原体をうつしあってしまう可能性があります。
自分だけでなくパートナーのためにも受診するようにしましょう。

この記事によって「性感染」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。