アナフィラキシーショック【救急対応】

結論ですが

アナフィラキシーショックとは、極めて短い時間のうちに全身にあらわれる重症なアレルギー反応による症状です。

この記事は「医療従事者」に向けて書いています。
病気に対する疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「アナフィラキシーショック」についてわかります。

アナフィラキシーショックって何ですか?

このような疑問にお答えします。

医療現場では、ワクチンやくすりを患者さんに投与する場面が多々あるかと思います。
医薬品を扱う場合には、効果だけでなく、その副作用や副反応などへの配慮も必要になります。
とくに、アレルゲンへの曝露によって、アレルギー反応を引きおこる場面もあります。
アレルギー反応の中でも命の危険にさらされるくらい過敏な反応が出ることを「アナフィラキシー」、血圧低下など伴うものを「アナフィラキシーショック」といいます。

それらが起こったケースを想定して、いつでも適切な対処ができるよう備えが必要となります。

では、アナフィラキシーショックについて詳しく教えてください!

ということで、今回は「アナフィラキシーショック」について説明していきます。

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まとめ

1.アナフィラキシーショックとは

アナフィラキシーショックとは、極めて短い時間のうちに全身にあらわれる重症なアレルギー反応による症状です。

アレルゲンが体内に入ってくると、それを排除しようとして、アレルギー反応が起こります。咳・くしゃみ・鼻水・腹痛・下痢などの症状が起こります。

アレルギー反応が、命の危険にさらされるくらい過敏な反応が出ることを「アナフィラキシー」といいます。
その中でも、血圧低下や意識障害などを伴うような重症なものを「アナフィラキシーショック」とよばれます。

アナフィラキシーを起こす原因は、食物の摂取・ハチ・医薬品などがあります。
その中でも「食物によるアナフィラキシー」が圧倒的に多いです。
たまご・牛乳・小麦・そば・ピーナッツ・えび・かになどが有名です。

2.アナフィラキシーショックの症状

アナフィラキシーショックの症状として、気道狭窄・喘鳴・呼吸困難、血圧低下、意識障害、下痢・腹痛、全身の発疹、唇や舌の腫脹などがあります。

アナフィラキシーになると、全身の粘膜に浮腫がおこります。
とくに空気の通り道である気道に浮腫が起こると「気道狭窄」、器官・気管支におこると「喘鳴」や「呼吸困難」につながります。
なお、消化器に浮腫がおこると「下痢」「腹痛」、口まわりにおこると「唇や舌の腫脹」が見られます。
また、全身の血管が拡張して「血圧低下」から「意識障害」となったり、皮膚の毛細血管が広がり「全身の発疹」などが起こります。

とくに、呼吸器障害や循環器障害が重症であると、場合によっては、死に至る可能性もあります。

3.アナフィラキシーショックの治療

アナフィラキシーショックの治療として、全身管理(気道確保・酸素投与・静脈路確保・モニター)、アドレナリン、抗ヒスタミン薬、点滴、ステロイドの投与などがあります。

アナフィラキシーショックが起こったら、まずは全身管理することが第一優先になります。
意識・呼吸・循環動態・皮膚の症状など全身状態を確認して、すぐに応援を呼ぶようにしましょう。場合によっては救急車を呼びましょう。

患者を寝かせて、足を30cmほど高くしましょう。呼吸状態が悪い場合には、気道を確保し、酸素を投与しましょう。また、薬や点滴を入れるために静脈ルートを確保しましょう。
血圧・脈拍・酸素飽和度(SpO2)などにモニターを装着しましょう。
なお、心肺停止状態であれば、ためらわずに心肺蘇生処置を開始しましょう。

治療として、アドレナリンの筋肉注射(大腿四頭筋中央の前外側に0.3mg)、抗ヒスタミン薬の投与、血圧低下があれば点滴を早めに落としましょう。
また、遅発性アナフィラキシーの予防のためにステロイドの投与など行います。

まとめ

今回は、「アナフィラキシーショック」についてみてきました。

アナフィラキシーショックは命をおとしうる重大な病気です。

アナフィラキシーを疑ったら、まずは応援を呼んで、しっかりとした初期対応をおこなうことが大切です。

なかなか遭遇する場面はないですが、アナフィラキシーが発生したときに適切な対応ができるよう日常からシミュレーションしておいたり、チームで共有することがとても大切です。

そして、アナフィラキシーショックに限らず、急変したときに適切な対応ができるよう蘇生処置なども出来るようにしておきましょう。

この記事によって「アナフィラキシーショック」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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