転倒予防 | 健康寿命をのばすために…

結論ですが

転倒を予防するために「筋力の強化」「転倒しにくい歩き方」「くすりの見直し」「環境の整備」をすることが重要です。

この記事は「健康に関心のある」ひとに向けて書いています。
健康や病気に関して理解を深めるお手伝いができればと思っています。
この記事を読むことで「転倒予防」についてわかります。

冬になって、雪が積もって、路面がツルツルになります。
北海道では、毎年この時期になると、転倒して動けなくなって救急車で運ばれる人が増えます。
若者でも転倒するし、足腰の弱い高齢者はとくに転倒しやすいです。
転倒しても打撲のみで済むことがあれば、骨折してしまう場合もあります。

とくに高齢者の骨折は、一気に健康状態が悪くなってしまい、「寝たきり」の状態につながることがあります。

「健康寿命」を伸ばすためにも、「転倒予防」ということが重要になります。

今回は「転倒予防」について説明していきます。

この記事のまとめ

  • 転倒予防が大切な理由として、転倒すると「骨折」につながり、「寝たきり」の状態につながる可能性があるからです。
  • 転倒の原因として、「体の状態」「精神・心理的状態」「病気・障害」「くすり」「外的要因」などがあります。
  • 転倒を予防するために「筋力の強化」「転倒しにくい歩き方」「くすりの見直し」「環境の整備」をすることが重要です。
  • 骨折しないために、「転倒予防」すること、「骨粗しょう症」を治療すること、「生活習慣」を整えることが重要です。

転倒予防がなぜ必要ですか?

転倒すると、骨折・打撲・ケガなどする可能性があり、寝たきりの状態につながる可能性があるからです。

とくに高齢者では、転倒すると約5%程度に骨折が生じると言われております。
そして、とくに転倒すると「大腿骨(ふともも)の骨折」「圧迫骨折(背骨の骨折)」などが起こります。骨折すると体を動かすことが難しくなります。体を動かせないと、ますます体力は低下してしまい、「寝たきり」の状態になってしまい、介護などが必要な状態につながることもあるのです。

転倒の原因は?

体の状態

身体機能の低下が、転倒につながります。
たとえば、身体機能の低下には「筋力低下」「バランス感覚の低下」「視野や視力の低下」などがあります。とくに加齢とともに身体機能は低下し、転倒しやすい状態になります。

精神・心理的状態

精神・心理的状態が、転倒につながります。
たとえば、精神・心理的状態として「焦り」「不安」「緊張」「興奮」「注意力低下」などがあります。普段とは違った精神・心理的状態が、転倒につながるのです。

病気・障害

わずらっている病気や障害が、転倒につながります。
たとえば、「脳血管障害」「パーキンソン病」「失調症」などの病気によって歩行障害がおこり、転倒につながります。

くすり

服薬しているくすりが、転倒につながります。
たとえば、「高血圧」や「痛み止め」などのくすりによって一時的に血圧が下がってしまい、意識がもうろうとなって転倒することがあります。また、「睡眠薬」によってフラフラと倒れてしまう場合もあります。また、高齢者で多数のくすりを飲んでいる場合、くすりの相互作用によって転倒してしまう場合もあるのです。

外的要因

まわりの環境の状態によって、転倒につながります。
たとえば、「履きもの」(脱げやすい、すべりやすい)、「地面の状態」(ちいさな段差、デコボコ、雪でツルツル等)、「明るさ」(足元がみえにくい)、「障害物」(電気コード、マットの折れ端)などが挙げられます。これらの環境の状態によって転倒につながるのです。

転倒を予防するには?

筋力の強化

普段から運動習慣をつけて、筋力を低下させないことが大切です。
とくに筋力トレーニングやバランス感覚を鍛えることが、転倒予防につながります。「転倒予防 運動」で検索すると、さまざまな運動が紹介されているので参考にしてみてはいかがでしょうか。

転倒しにくい歩き方

キレイな歩き方をすることで転倒を予防することができます。
とくに、「かかとから地面につく」「足の指で踏み切る」「肘をすこし曲げてバランスをとる」「視線はすこし遠くの方をみる」「背筋を伸ばす」ことがポイントになります。キレイな歩き方をすることで転倒予防するとともに、バランス良く筋力もつけることができます。

くすりの見直し

転倒しやすいくすりとして、「高血圧」「痛み止め」「睡眠薬」「風邪薬」「抗精神病薬」などがあります。これらの薬を使用していて、転倒しやすい場合には、担当医と相談してくすりを見直すようにしましょう。

環境の整備

環境の整備をすることで、転倒しにくい状態にすることができます。
たとえば「段差をなくす」「手すりを付ける」「滑りにくいマットに変更する」「足元を明るくする」などが挙げられます。家の中の環境を工夫することで、転倒予防につながるのです。

転倒するとどうなりますか?

骨折

転倒すると、体のぶつけた部分の骨が折れてしまうことがあります。
転んだ時に手をつくと「手首の骨折」、肩や肘をぶつけると「鎖骨骨折」「上腕骨骨折」など、しりもちをつくと「大腿骨の骨折」「圧迫骨折」などが起こります。

頭部打撲

転倒して、頭をぶつけた場合は注意が必要です。
外見は問題ないようにみえていても、頭の中で出血している「硬膜下出血」「硬膜外出血」「外傷性くも膜下出血」などの命を落としうる状態になっている可能性があります。
頭部打撲して体調が悪い場合には、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

骨折しないために

転倒予防

骨折をする一番の原因は転倒です。
繰り返しになりますが、転倒を予防することが骨折をしないために重要です。

骨粗しょう症

骨密度が低下している「骨粗しょう症」の場合は、比較的軽い力でも骨折につながります。「骨粗しょう症」を治療することで、転倒しても骨折しにくい体になるのです。
とくに、女性の場合は閉経期以降、女性ホルモンの低下から「骨粗しょう症」になりやすいです。通常の「骨粗しょう症」の薬に加えて、女性ホルモンを補う「ホルモン補充療法」が効果的な場合があります。女性の骨粗しょう症では婦人科を相談することもオススメします。

生活習慣

「運動習慣」や「食習慣」など普段の生活習慣が「骨の健康」に影響を与えます。
運動することによって転倒予防につながり、骨を強くすることにつながります。
また、「カルシウム」「ビタミンD」「ビタミンK」などの栄養素は骨を強くします。栄養バランスの良い食事が「骨の健康」につながるのです。

まとめ

  • 転倒予防が大切な理由として、転倒すると「骨折」につながり、「寝たきり」の状態につながる可能性があるからです。
  • 転倒の原因として、「体の状態」「精神・心理的状態」「病気・障害」「くすり」「外的要因」などがあります。
  • 転倒を予防するために「筋力の強化」「転倒しにくい歩き方」「くすりの見直し」「環境の整備」をすることが重要です。
  • 骨折しないために、「転倒予防」すること、「骨粗しょう症」を治療すること、「生活習慣」を整えることが重要です。

「転倒」は、高齢者の介護が必要となる原因の一つです。
年齢が高くなっても、いつまでも健康で過ごすために「転倒予防」という観点がとても重要になります。

転倒する要因として「体の状態」「精神・心理的状態」「病気・障害」「くすり」「外的要因」などがさまざまあります。
それらへ対処して「転倒予防」するとともに、万が一転倒した場合も骨折しにくい体を作るために「骨粗しょう症」を治療すること、「生活習慣」を整えることが重要です。

婦人科を受診すれば、骨の健康のために必要があれば「ホルモン補充療法」が選択肢として使うことが出来ます。
女性の骨の健康に対して相談したい場合には「婦人科」を受診することも頭に入れて頂ければ幸いです。

この記事によって「転倒予防」の理解が深まり、一人でも多くの人の役に立つことを願っています。