器質性出血とは何ですか?【女性特有の出血】

結論ですが

器質性出血とは、明らかな原因となる病気があって起こる性器出血のことです。

この記事は「月経」や「性器出血」について気になる女性に向けて書いています。
女性特有の症状に関する、疑問・悩み・不安などが解決できればと思っています
この記事を読むことで「器質性出血」についてわかります。

いつもは月経が順調にきているのに、月経のタイミング以外の時に下着に出血が付着していたら驚いてしまうかと思います。
月経以外の出血を「不正性器出血」や「不正出血」といわれます。
さらに、明らかな原因となる病気がある「器質的異常」がある場合の出血を「器質性出血」と呼ばれます。

今回は、「器質性出血」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

  • 器質性出血とは、明らかな原因となる病気があって起こる性器出血のことです。
  • 器質性出血の原因として、「子宮の病変」「腟・会陰の病変」「外傷による出血」「妊娠異常にともなう異常」などがあります。
  • 不正性器出血があれば、器質性出血なのか診断するために産婦人科を受診して相談するようにしましょう。

器質性出血とは?

器質性出血とは、「明らかな原因となる病気があって起こる性器出血」のことです。

腟口からの出血が起こることを「性器出血」とよばれます。
具体的にいうと、「子宮」や「腟」「会陰」などの部分からの出血によって「性器出血」が起こります。

では、どのような病気によって器質性出血が起こるのか、順にみていきたいと思います。

器質性出血1:子宮の病変

子宮の病変によって、性器出血が認められることがあります。

たとえば、「子宮筋腫」「子宮内膜ポリープ」「子宮頸管ポリープ」などが挙げられます。
これらは、「エコー」「MRI」などの画像検査で確認します。画像検査で子宮の内膜が厚いと判明した場合は「子宮体がん」の可能性があります。また、子宮の入り口が出血しやすい状態となっている場合は「子宮頸がん」の可能性もあります。それらの場合は「悪性疾患」(がん)の可能性を念頭にいれて検査を行います。

器質性出血2:腟・会陰の病変

「腟」「会陰」の病変によって、性器出血が認められることがあります。

とくに高齢女性の場合、女性ホルモンが低下することによって起こる「萎縮性腟症」という腟炎によって出血しやすい状態になっていることが多いです。また、出血の原因として「腟がん」「外陰がん」などの「悪性疾患」(がん)が隠れている場合があります。
診察では、「腟鏡」(クスコ)という器械をつかって「腟」や「外陰」に病変がないか見て確認します。

器質性出血3:外傷による出血

「子宮」「腟」「会陰」などの女性性器の外傷によって、性器出血が認められることがあります。

たとえば、「性交渉をおこなった」「腟内に異物を挿入した」「陰部を打撲してしまった」などで女性性器にダメージが加わると、「子宮の入り口」や「腟」「会陰」が擦れたり、裂けてしまって、出血が起こる場合があります。
性器出血のきっかけがあれば、外傷による出血が考えられますので、しっかりと担当医に伝えるようにしましょう。

器質性出血4:妊娠異常にともなう異常

妊娠異常にともなって、性器出血が認められることがあります。

具体的にいうと「切迫流産」「異所性妊娠」などの「妊娠異常」にともなって性器出血を認める場合があります。
「なんかいつもの月経とは違うな」と思っていたら、じつは妊娠をしていて「妊娠異常にともなう出血」だと判明する場合があります。とくに、月経がもともと不順な場合は、妊娠していることに気づかないことがあるので注意しましょう。
少しでも妊娠の可能性がある場合には、ご自身で妊娠検査を行って確認してみるか、産婦人科を受診して相談するようにしましょう。

まとめ

  • 器質性出血とは、明らかな原因となる病気があって起こる性器出血のことです。
  • 器質性出血の原因として、「子宮の病変」「腟・会陰の病変」「外傷による出血」「妊娠異常にともなう異常」などがあります。
  • 不正性器出血があれば、器質性出血なのか診断するために産婦人科を受診して相談するようにしましょう。

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女性の月経や性器出血に関する悩みは、尽きないかと思います。

このような症状の原因として、今回説明した「器質性出血」が隠れている場合があります。
診察によって、じつは「子宮頸がん」「子宮体がん」などの「悪性疾患」(がん)が隠れていることがわかる場合があります。がんを初期に見つけるためにも、気になる症状があれば早めに受診することが重要です。

月経や性器出血など女性特有の症状で何か気になることや心配なことがあれば、勇気をもって産婦人科を受診して相談するようにしましょう。産婦人科は困った人の味方です。

この記事によって「器質性出血」についての理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。

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