結論ですが
ホルモン補充療法が使えない場合として「肝疾患」「乳がん」「子宮体がん」「不正性器出血」「血栓症」「冠動脈疾患」「脳卒中」などの場合があります。
この記事は「更年期障害に悩んでいる女性」に向けて書いています。
更年期に関するさまざまな疑問・不安・悩みなどが解決できればと思っています。
この記事を読むことで「ホルモン補充療法が使えない場合」についてわかります。
私はホルモン補充療法を使うことができますか?
このような疑問にお答えします。
ほてりがひどいです
最近、イライラしやすくなりました
汗が止まらないです
このような症状の場合、更年期障害の可能性があります。
女性ホルモンである「エストロゲン」が低下していくことで「閉経」になっていきます。
「エストロゲンの低下」によって、40代から50代にかけての「更年期」にさまざまな症状や体への影響をきたすことになります。
その症状が日常生活に影響を及ぼすようになると「更年期障害」といわれます。
更年期障害は、不足した「エストロゲン」を補うホルモン補充療法がおこなわれます。
では、私はホルモン補充療法を使うことができますか?
ということで、今回は「ホルモン補充療法が使えない場合」について説明したいと思います。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
https://www.miyanosawa-smile-lc.com/
この記事のまとめ
HRTの禁忌1:肝疾患
「重度の活動性の肝疾患」がある場合、ホルモン補充療法を使うことが出来ません。
「エストロゲン」の投与によって肝機能を悪化させるおそれがあるため、重度の活動性肝疾患が疑われる場合には、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
ホルモン補充療法における「エストロゲン」の投与によって肝機能を悪化させるおそれがあります。とくに、急性ウイルス感染や重症肝硬変などの「重度の活動性肝疾患」が疑われる場合は、ホルモン補充療法は行わず、かならず肝臓の専門医の診察を受けるようにしましょう。
HRTの禁忌2:乳がん
「乳がんおよびその既往」がある場合、ホルモン補充療法を使うことが出来ません。
「エストロゲン」の投与によって乳がんの病変を悪化させるおそれがあるため、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
現在、乳がんにかかっている人は、ホルモン補充療法の「エストロゲン」によって乳がんが悪化する可能性があるので、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
また、乳がんにかかったことのある人は、「エストロゲン」によって乳がんの再発・再燃の可能性が指摘されています。一致した見解はないですが、現状では乳がんにかかったことのある人はホルモン補充療法を行わない方が良いとされています。
HRTの禁忌3:子宮体がん
「現在子宮体がんにかかっている」場合、ホルモン補充療法を使うことが出来ません。
「エストロゲン」の投与によって子宮体がんの病変を悪化させるおそれがあるため、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
とくに、「子宮内膜がん」(子宮体がん)や「低悪性度子宮内膜間質肉腫」では、ホルモン補充療法に含まれる「エストロゲン」によって悪化する可能性があるので、使用できません。
HRTの禁忌4:不正性器出血
「原因不明の不正性器出血」がある場合、ホルモン補充療法を使うことが出来ません。
不正性器出血の原因として、「子宮体がん」や「妊娠」などの可能性があります。これらは、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
原因不明の不正性器出血がある場合には、かならず産婦人科医師の診察を受けて、問題ないことを確認してから、ホルモン補充療法を開始するようにしましょう。
HRTの禁忌5:血栓症
「血栓症およびその既往」がある場合、ホルモン補充療法を使うことが出来ません。
「エストロゲン」の投与によって「血栓症」の悪化や再発リスクが高くなるため、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
とくに、「急性血栓性静脈炎」や「静脈血栓塞栓症」にかかっている人や、今までにかかったことのある人は、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
HRTの禁忌6:冠動脈疾患
「冠動脈疾患およびその既往」がある場合、ホルモン補充療法を使うことが出来ません。
「エストロゲン」の投与によって「冠動脈疾患」の再発リスクが高くなるため、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
とくに、「心筋梗塞」や「冠動脈に動脈硬化性病変」にかかったことのある人は、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
HRTの禁忌7:脳卒中
「脳卒中およびその既往」がある場合、ホルモン補充療法を使うことが出来ません。
「エストロゲン」の投与によって「脳卒中」の再発リスクが高くなるため、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
とくに、「虚血性脳卒中」にかかったことのある人は、ホルモン補充療法を使用することが出来ません。
まとめ
今回は「ホルモン補充療法が使えない場合」について説明しました。
「ホルモン補充療法」をはじめる場合、自分が安全につかえるかどうか確認する必要があります。
「問診票」を細かく書いたり、いろいろと質問うけるのは面倒だとおもいますが、安全に薬を使うため、しっかりと答えるようにしましょう。
「クスリはリスク」と昔から言われます。
リスクをマネジメントすることで、クスリを安全に使用することができます。
「ホルモン補充療法」を使う時だけなく、普段から自分の「かかっている病気」や「かかったことのある病気」を十分把握することが、ご自身の健康管理する上で役に立ちます。
安全にホルモン補充療法を使うことで、更年期以降の生活がより健康的に過ごすことができます。
この記事によって「ホルモン補充療法が使えない場合」の理解が深まり、一人でも多くの人に役立つことを願っています。
「宮の沢スマイルレディースクリニックホームページ」
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